就職・転職ガイド

転職回数の多さが不利に?安易に仕事を辞めてはいけない本当の理由

今や1度や2度の転職経験は当たり前。終身雇用制が崩れた現代においては、希望するキャリアプランに合わせて職場を変えることは珍しくないことです。しかし、だからと言って安易に転職を考えるのはとても危険!今回は、転職回数があなたの人生に与える大きなリスクについて、お話ししていきましょう!

転職回数の多さは就職活動に不利になる?

女性のイラスト
「もっと経験を活かせる職場を探したい」「事業所の方針に共感できない」「人間関係のストレスから体調を崩した…」さまざまな理由から転職を検討することは、もちろん悪いことではありません。しかし、転職回数を重ねていくと、次の就職先を探す際に不利になってしまうこともあります。
 

みんなの平均転職回数って?

2012年、エンジャパンが、運営する「エン ミドルの転職」で行った調査によれば、対象者の平均転職回数は2.3回だったそう。また2014年に「転職エージェントみんなの口コミ評判」が行った調査では、対象者の平均転職回数は2.2回だったとされています。(いずれも対象者は20~50代)
 
保育業界に絞り込んだデータではなく、また年齢層によっても若干の違いがあるかとは思いますが、現代においては多くの人が生涯に2~3回の転職を経験するという傾向がわかります。
 

転職回数4回以上は不利になる?

では、転職回数が4回、5回とある方は就職に不利なのでしょうか?結論から言えば必ずしもそうとは限りません。ただし人事に懸念されるポイントとなるのは確かでしょう。特に
 
 ●短期間で多くの転職を繰り返している
 ●転職の理由に一貫性がない
 ●転職理由がいつも同じ(人間関係など)
 
…こういった場合には、忍耐力に不足するのではないか、入職してもまた短期間で辞めてしまうのではないか、人間関係を築く上でなにか問題があるのではないかといった不安を人事に抱かせるため、きちんと相手の納得できる説明ができなければ、不採用になる可能性も高くなってしまいます。また、仮に転職回数が平均的なものであったとしても、上記のような特徴が見受けられれば、就職活動で不利になりかねないことは意識しておくべきでしょう。

いくら転職が珍しくないこととは言っても、上手くいかなかったら次に行けばいいや、という考えは危険です。自分にとって何回目の転職になるのか、今までの転職と今回の転職とに一貫した軸はあるのかなど、じっくりと考えてリスクを把握するようにしましょう。時には今の職場にとどまってもう少し続けるという選択をすることも大切ですよ!

 

「青い鳥症候群」で年収が下がる…?転職回数が多い人の傾向

青い鳥
転職回数の多さが抱えるリスクは、単に「次の就職にとって不利になりかねない」ということだけではありません。繰り返し繰り返し転職をすることによって、年収など諸条件が下がってしまうこともあるのです。
 
より良い条件を求めて転職をするのになぜなのでしょうか?
それは、先ほどご説明した「採用に不利になる」というリスクと密接な関係があります。
 
規模にもよりますが、一般的に各事業所の人事採用担当者は、非常に多くの応募書類に目を通します。その際に、その事業所が求める人材に合わせて、年齢や転職回数、これまでの経験年数などの一定条件のもと、書類をふるいにかけることがあります。もしもその際に転職回数は2回までの人、という条件が付けられていたら…当然条件に合わない人材として、書類にじっくりと目を通してもらえないままに不採用となってしまいますよね。
 
加えて先ほどご説明した通り、転職回数の多さに対して、人事を納得させる説明ができなければ面接の通過率もおのずと下がってしまいます。すると、応募しても応募してもなかなか採用までたどり着けない…という状況が発生してしまうのです。

退職の手続きを進めてしまっていたり、退職してから転職活動を始めた方にとって、これは死活問題なんだホィ!

 
転職活動が長引けば、当然応募できる手持ちの求人も減ってきますし、収入がない状態をいつまでも続けるわけにはいかなくなります。また、仕事を続けながら転職活動を続ける方にとっても、精神的に大きなダメージを受け続けることになるでしょう。
 
そうなれば、希望条件までは届かなくてもある程度のラインで見切りを付け、妥協をせざるを得ない状況が生まれます。キャリアアップどころか自分にとって「一歩下がる」転職になってしまう可能性があるのは、こういった理由からなのです。

一般に、もっといい職場がある、もっといい上司や同僚がいるはず!と理想を追い続ける思考パターンのことを「青い鳥症候群」と呼びますが、そこに陥ってしまうと、いつの間にか自分の人生を下方修正してしまうことにつながりかねません。
転職回数はリセットすることができませんから、慎重に決断をすることが必要なんです!

 

転職だけじゃない!転職回数がライフプランを狂わせる?

悩む女性のイラスト
また、転職回数の多さは、就職活動以外の部分でもあなたの人生に悪影響を及ぼしかねないことをご存じでしょうか。
 
もしもあなたが「そろそろ広いマンションやマイホームに移り住みたいな…」と考えるとしましょう。購入のため、現金で支払える場合以外は、住宅ローンを組まなくてはなりません。そこで弊害となりかねないのが転職回数です。
 
一般的な住宅ローンの場合には、貸出の審査の際に年収や健康状態、個人信用情報などの他に、勤続年数や転職回数、事業所の規模なども見られます。その際に転職回数が多く、現在の勤務先に入職してからもまだ日が浅い場合などには、収入の安定性に懸念があるとされて、審査が通らないケースもあるようです。
 
必ずしも転職回数が多いことだけで、ローンが組めなくなるということではありませんが、仕事だけでなく、ライフプラン全体に影響を与えかねないのだということは、しっかりと頭に入れておくべきでしょう。

大切なのは「転職しないこと」ではないホィ。転職がこれからのライフプラン全体に影響を与える可能性があるほど重要なものであるという認識をきちんと持って、安易な転職を繰り返してしまわないことが重要なんだホィ!

私たちが慎重な転職を勧める理由

アドバイザーの女性
私たち【保育のお仕事】は、転職を検討する保育士さんや幼稚園教諭さんのための人材紹介サービスを行っています。ならばどうしてそのような人材紹介の会社が、「慎重な転職」をおすすめするのか…疑問に感じられた方もいらっしゃるでしょう。
 
なぜ私たちが転職のリスクをお伝えして、安易な転職をしないよう呼びかけるのか…それは、第一に「転職をその方にとって本当に満足のいくものにしてほしいから」、そして「その人の人生が向上するような転職のお手伝いがしたいから」です。
 
もちろん転職においては、すべての希望条件が必ずしも叶う訳ではありません。しかしながらできる限りその方の不安や現在の不満を解消し、ご自身に合った職場に出会うきっかけを作れたら…と考えています。だからこそご自身のキャリアを大切にしてほしいのです。
 
今転職を検討している方は、この記事を読んで不安になる部分もあったかもしれません。しかしそれでも新たな一歩を踏み出したいと考えておられるならば、強い意志を持って、想いを実現してください。確かに転職は一定のリスクを伴うものです。しかし考えに考え抜き決断をした方で、ご自身にとって満足のいく転職を実現した方は大勢いらっしゃいます。
 
決して安易に考えず、これからの人生のためにもご自身に合った職場が見つけられると良いですね!
  

編集者より

赤ちゃんを抱く保育士さん
最近転職回数がローンを組む際の審査にも関わってくることを知った編集者…。転職サイトでも派遣会社でも、ハローワークでも…そんなことを教えてくれたことはありませんでしたし、おそらくニーズが出てくるまで知らないケースも多いのではないかと思います。
 
今までいろいろな理由があって転職をしてきましたが、そういった立場だからこそ皆さまにお伝えできることもあるのではないかと思っています。繰り返しにはなりますが、身近になった転職も人生においては大きな決断です。どうか安易に選択をせずじっくりと検討してみてください。そして熟考したうえでも必要であれば、今後のご自身にとって最善の転職となるよう、新しい道を選んでいってくださいね。
 
皆さまの転職がうまくいきますよう、応援しております!

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