認証・認定保育園とは?
認証・認定保育園は、市区町村や都道府県が定めた独自の基準を満たし、自治体の認証・認定を受けている保育施設のことを言います。くくりとしては認可外保育所に含まれますが、一定水準以上の保育環境が確保されているのが大きな特徴。
東京都をはじめとした「人口が集中している都市部」で制度化されており、認証保育園は東京都が、認定保育園は東京都以外の道府県が認定しています。
大都市では、「利便性の高い駅前に設置しているため園庭が設けられない」「独自の少人数保育をやるために認可をあえて受けない」といった園も少なくありません。こうした従来の認可保育所ではカバーしきれない保育ニーズを満たす園を支援し、待機児童問題を解消する目的で作られたのが認証・認定保育園制度です。
ほいくん- その都市ならではの特性に着目した独自の基準を設定し、多くの企業参入を促すことで、多様な保育ニーズに応えようとしているんだホィ。
認可保育園とはどう違うの?
それでは、具体的に「認可保育園」と「認証保育所(東京都の場合)」を比較してみましょう。

参考:とうきょう福祉ナビゲーション「認証保育所制度について」
各自治体によって基準は異なりますが、原則として13時間以上開園していて、0歳児から入園できるのが認証・認定保育園の大きな特徴です。
主な認証・認定保育園
全国各地にある認証・認定保育園。
ここでは一例として、関東圏にある認証・認定保育園の例をご紹介します。
認証保育所
東京都では「東京都認証保育制度」に基づき、都市部の保育ニーズを満たせる施設を対象に運営費の補助を行っています。
通勤時の送り迎えが便利なA型(駅前基本型)と、産後間もない乳児でも預かりが可能なB型(少規模・家庭的保育型)の2種類があります。
いずれにしても「13時間以上の開所」「0歳児の保育枠の設置」が基準として設けられているのが大きな特徴です。
ほいくん- 産後すぐに職場復帰したいママさんのニーズに応えている施設だホィ。
- A型は「駅前にある認可保育園」、B型は「乳児向けの小規模園」とイメージするとわかりやすいね。
マイちゃん
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横浜保育室
「横浜保育室」は、神奈川県横浜市で実施されている認定保育園です。
横浜市内に住んでいる主に0~2歳児の子どもを利用対象とした施設で、2歳児以下の子ども4人に対して1人の保育士を確保しています。施設によっては受け入れ可能年齢が異なっていたり、幼稚園に併設されているところもありますが、全施設で施設内調理の給食を実施しているのが大きな特徴です。
ほいくん- 横浜保育室を利用できるのは、「横浜市・川崎市在住で」「保護者が月64時間以上就労している」などの理由で、子どもを保育することができない家庭だホィ。
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おなかま保育室
「おなかま保育室」は神奈川県川崎市による制度。保育の必要性の認定を受けているのに、認可保育所を利用できなかった家庭のお子さんを受け入れる施設を指します。対象となるのは川崎市内に住む0~2歳児で、年度途中でも空きがでれば募集を受け付けています。
ちなみに川崎市にはもう1種類、「川崎認定保育園」という認定保育園もあります。こちらはおなかま保育室と異なり、保育対象が0~5歳児。認可保育園だけでは対応できない保育のニーズに応える保育施設を補助の対象としています。
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さいたま市ナーサリールーム
埼玉県さいたま市では、市の契約に基づいて乳幼児の保育を受託する認可外保育所として「さいたま市ナーサリールーム」が設けられています。0~5歳児まで預かる施設で、定員20人以上の認可に準ずる施設基準となっています。
サービス内容や利用料は保育園によって異なりますが、各施設で保育料負担を軽減する(お子さん1人につき2万円上限)事業を行っているのが特徴です。なおさいたま市にはナーサリールームだけでなく、家庭保育室・地域型事業所内保育施設といった保育施設もあります。
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千葉市保育ルーム
千葉県千葉市では、市内の認可外保育所のうち、
- 認可外保育施設の基準を遵守している
- 1年以上の運営実績がある
といった基準を満たした施設を「千葉市保育ルーム」として認定しています。
千葉市保育ルームの最大の特徴は
「認可移行型」というタイプがあること。これはその名の通り、一定期間ののちに認可保育園に移行する可能性のある施設を指します。
ほいくん- 「子ども・子育て支援新制度」が開始した2015年以降、自治体独自の認定制度を廃止して、すべての認定保育園を認可保育園に移行する動きも見られているホィ。(例:仙台市)
- 千葉市の認定保育園も、将来的には認可保育園になるかもだね。
マイちゃん
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船橋市認証保育園
千葉県船橋市においても、市が定めた一定の基準(保育士の配置基準、保育室の面積基準など)を満たしている保育施設を「船橋市認証保育園」として認証しています。
令和2年4月1日時点では3施設のみと、まだまだ少ないのが現状です。入所要件は認可保育所と同じく「保護者が就労や病気のために保育を必要としている子ども」ですが、中にはそれ以外の子どもを受け入れている施設もありますので、確認しておきましょう。
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認証・認定保育園のお給料事情
認証・認定保育園で働く保育士さんのお給料は、実際に勤める園によって異なります。
ただし、平均月給で見ると20~23万円と、一般的な認可園で働く際の給与とそう大きく変わらない金額になっています。
就業条件
認定・認証保育園で働く場合も、基本的には保育士資格が必要となります。
正規職員として働きたい場合には必須と言えるでしょう。
ただし認定・認証保育園は一般的な認可園に比べると施設規模も小さく、子どもの受け入れ人数も少なめなところがほとんど。それでいて開所時間が長いという特徴もあるため、パートとしても働きやすい環境にあります。無資格で保育補助の仕事がしたい、といった方でも勤務が可能です。
認証・認定保育園で働くメリット
保育士さんが認証・認定保育園を職場に選ぶメリットは、どのような点にあるのでしょうか。具体的に見て見ましょう。
じっくり保育に向き合える
認定・認証保育園の大きな特徴として、「小規模な施設が多い」ことが挙げられます。
認可園に比べると保育室も小さめで、受け入れている子どもの人数もさほど多くありません。つまりその分だけひとりの子どもと向き合える時間が長くとれます。一人ひとりと、じっくり密に関わることが可能なのです。
小規模園だと、園内行事もささやかであるケースがほとんど。
行事の準備や製作に追われて残業……といったこともないため、体力を温存しながら、アットホームな雰囲気で働けます。
通勤がラクチン!
都市部の駅周辺エリアは利便性に優れている分、地価も高く設定されています。そのため、ある程度の広さをを確保しなければ設置できない認可保育所は、どうしても駅から離れた場所に追いやられてしまいがちです。
その点、認証・認定保育園なら、駅チカのビルや商業施設の中でも保育の場を設けられます。
毎日の通勤にかかる負担が少ないほか、帰りにサッとショッピングできるなど、プライベートの充実にも一役買ってくれるでしょう。
ほいくん- 保護者の方としても、認証・認定保育園は送り迎えが楽な立地にあることが多いホィ。なかなかお迎えが来なくて閉園できない……といったトラブルも少なさそうだホィね。
働くパパ・ママをより身近に感じられる
「産休明けすぐに働きたい。乳児を預かってくれる園を探している」
「実家は田舎で遠いし、他に頼れる人がいない……」
昨今の都市部において、核家族で共働きの家庭はもう珍しくありません。ゆえに保育ニーズも高く、比例して認可保育所の倍率も高くなってしまっています。
働きたいけれど、子どもを預けるあてがない。認可園への入園を希望していたけれど、すべて選考落ちしてしまった……。認証・認定保育園は、そういった事情のご家庭の受け皿となる存在です。
働くパパ・ママを応援し、保育ニーズに応えている実感を持てることは、認証・認定保育園で働く大きなモチベーションになるでしょう。
- 同じ「働く女性」として、ママさんの職場復帰をサポートしてあげたい! って保育士さんにオススメだよ。
マイちゃん
認証・認定保育園への転職は「保育のお仕事」で!
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認証・認定保育園で働きたい保育士さんは、ぜひお気軽にご相談くださいね!